睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome 通称:SAS)は、寝ている間に呼吸が止まる病気です。
医学的には、無呼吸の状態が1時間あたり5回以上あれば、この病気に該当し、30回以上である場合は重症になります。
SASには、閉塞性と中枢性があり、歯科で対応可能なのは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)です。
睡眠時無呼吸症候群になる原因
閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスク因子は、以下の条件があげられます。
- 家族歴(OSA患者の第一度近親者は、2倍OSAになりやすい)
- 性別(男>女)
- 年齢(加齢に伴い増加)
- 体重(中等度~重度のOSA患者の60%は、肥満による上気道狭窄化による)
- 頭蓋顔面形態(下顎が小さい、上顎の後退、舌骨下方など)
- 咽頭の解剖学的形態
セルフチェックリスト
OSAは、自覚症状があり、かつAHI(睡眠時1時間あたりの無呼吸および低呼吸の回数)≧5であることが診断基準です
以下に該当する場合、OSAの可能性があります。OSA有病者のうち80%は未診断であることがわかっています。
- 大きないびきをかきやすい
- しばしば疲労や倦怠感、昼間の眠気を感じやすい
- 睡眠中に呼吸が止まっているのを他の人から指摘されたことはある
- 血圧が高い(高血圧)
- 座って何かを読んでいるとき、うとうとする場合がある
睡眠時無呼吸症候群の
治療方法について
当院で行うOSAの治療法
潜在性患者の発見
SRBD(睡眠関連呼吸障害)の有病者のうち、80%は未診断と言われています。当院では、睡眠時無呼吸症候群のスクリーニング検査として問診票と、咽頭の形態など骨格的特徴の検査票をもとに未診断・潜在性の患者様を診断し、OSAの治療の必要性をお話致します。
実際に保険治療でOA(気道確保のための口腔内装置)を作成するためには、耳鼻科、呼吸器内科、睡眠外来などによる医科の診断が必要になりますので、通院・検査を促す場合もございます。
OA(口腔内装置)の作成
医科でのOCSTやPSGと呼ばれる睡眠時の検査を経て、CPAP(口腔外の空気を気道に送り込む機械)ではなく、OA(口腔内装置)の適応であると診断された場合、OAを作成し、治療を行います。
保険診療の場合、費用は約1万円程度です。型取りとOA装着により一時的に顎関節に症状が出る方もいらっしゃるため、調整が必要となりますので、数回の通院が必要です。
自費診療でも診断なしのOA作成は可能ですが、医科の専門的な検査を受けてからOAを作成後、必ず再検査を行い、データが改善していることを確認することをおすすめします。
問診票
睡眠時無呼吸症候群の
予防方法
- 睡眠体位療法(側臥位)
- 適正な寝具や枕の高さ
- 睡眠環境の整備
- 規則正しい睡眠習慣
- 鼻テープや口テープの使用
- BMIの改善